インテリアをおしゃれにする方法 #3【絵画を飾る場所5つの原則(壁編)】

こんにちは、カギ尻尾です。

いざ、「絵を壁に飾るぞ」となったとき、
「いちばんベストな位置はどこか?」というのは気になるところではないでしょうか?

せっかく飾るんだから、インテリアも、飾る絵も、いちばんかっこよく見える位置に飾りたいです。

おしゃれなインテリアをつくる上では外せない「壁を彩ること」=「ウォールデコレーション」、
今回はウォールデコレーションの中でも、壁に絵画を飾ることにスポットを当てて、どんな所に絵を飾るのがいいのかをお話しします。

15年間、作品を額縁に入れる「額装」の仕事をしていた私カギ尻尾

アンティーク家具店で働いたときに学んだインテリアの知識と合わせて「壁に絵画を飾る位置で気を付けるポイント」を5つの原則としてまとめました

おしゃれなインテリアをつくるためだけでなく、大切な絵画を痛めないためにも、ご覧いただけたらうれしいです。

さっそくですが、
絵画を飾る場所5つの原則(壁」はこちらです。

直射日光があたる場所を避ける
(直射日光を避けることプラス作品の表面をアクリル板でカバーしてください)

温度差があり、結露するような場所は避ける
(外壁側の窓周辺は危険です)

飾る高さは、基本的には目線の高さからちょっと上くらいがいい
(部屋によって推奨される高さが違うことに注意が必要です)

飾る絵画の大きさによって、空間にもたらす影響が異なることに注意する
(絵画をきゅうくつに飾らないことは大前提です)

家具と組み合わせて絵画を飾る
(相乗効果があるだけでなく空間のバランスを整えやすいです)

以上の5つです。
それでは、これからこの5つの原則について対策を含めて詳しくお話ししていきます!

絵画を飾る場所5つの原則(壁編)

日本は近年、壁が多い建築構造の家が増えました。

日本古来の家屋は、襖(ふすま)や障子(しょうじ)で空間をへだてるのが主でしたが、コスト面や施工時間の短縮、生活様式の変化などによって、これらが壁に置き換わったいま、壁の可能性を最大限に生かすことを考えるのは、雰囲気あるインテリアをつくる上では外せない課題です。

壁が真っ白いままなのは
例えるなら「香りのない花」さ

そうだね、
きれいだけど少し寂しいかんじ

どんなに素敵で高価な家具を置くことよりも、壁を絵画などで彩るウォールデコレーションをすることで、驚くほど簡単にお部屋の雰囲気は変わりますよ。

今回は、「インテリアをおしゃれにする方法」シリーズの第三弾。
この記事が、あなたの家の壁をおしゃれに彩るための参考になったらとてもうれしいです!

直射日光があたる場所を避ける

浮世絵が太陽光に弱いことは有名ですが、浮世絵以外の版画・水彩画・写真なども光に対して強くありません。

直射日光があたるような環境はどんな作品にとっても害がありますし、たとえ窓越しであっても陽があたる場所に作品を飾るのは慎重にした方がいいです。

紫外線によって、作品が劣化・変色してしまう恐れがあります。

鮮やかで美しかった色彩が退色してしまったら後悔してもしきれないし、作家さんにとっても悲しいですよね。

額縁店に勤めているとき、私はそんな絵画をいくつも見てきました。
そう、額装をする人間にとっても作品が痛んでしまっているのを見るのは悲しい・・・

なので、これが今回の記事でいちばんお伝えしたいことと言っても過言ではありません。

大切な作品を壁に飾るときは、陽のあたる場所は避けてくださいね。

日当たりの良い部屋に絵画を飾るとき、すべき対策

それじゃ、日当たりのいい部屋には全く絵画を飾れないの?

というと、そんなことはありませんよ。

日当たりのいいお部屋の壁を飾るときは、これからご紹介する対策を取り入れてみてくださいね!

対策:ポストカードなど替えのきくものを額装して壁をデコレーションする

日当たりのいいお部屋は、手描きの絵画や版画など替えのきかないものは避けて、比較的簡単に交換できるポストカードなどの印刷物を額装して壁を飾る方法がおすすめです。

このとき、とりあえずで額縁を決めずに、理想の雰囲気に合わせて額装することがコツ。
そうすれば、ポストカードもインテリアとしてかっこよく飾ることができます。

この方法、実際に私もやっています。

私の家は、いちばん長い時間を過ごすリビングダイニングが、南向き日当たり良好。

でも「ここには絵を飾りたい!」と、引越した当初から思っていました。
なので、お気に入りのポストカードを一目惚れした額縁に額装して飾っています。

ポストカードを額装して飾っています
日当たりがいい部屋に藤田嗣治さんのポストカードを額装して飾っています。

ポストカードは、藤田嗣治さんの「仕立て屋の猫」です。
額縁は「SP奴型水彩仕様」という品名で、同志舎さんというメーカーさんのもの。
油絵額縁のようなデザインで高級感があり、和のしっとりした上品さを感じさせる額縁なのですごく気に入っています。

額装は私がしました。
内寸が164 X 120mmと小さい額縁で、マット幅が思うようにとれないため、同色のマットを二枚重ねて奥行きをつける加工をすることで窮屈感が出ないように配慮し、重厚感も演出しています。
この額装はTwitterに載せているので、よかったら見てくださいね!

対策:額縁にUVカットのアクリル板を使用して、有害な紫外線から作品をカバーする

日本の額縁店では、作品の表面をカバーするのはガラスではなく、アクリル板が一般的になってきています。

実は、アクリル板はガラスに比べて紫外線カット率が高いという特性があるんです。
そのため、額装するときには、ガラスではなくアクリル板を選ぶことをおすすめします。

アクリル板はガラスに比べて重さも軽いし、衝撃に強いというメリットもあります。

デメリットを挙げるなら、ガラスより細かな傷がつきやすいこと、静電気を帯びてほこりがつきやすいこと、ガラスに比べると値段が高いことくらいです。

また現在、「UVカットアクリル」という、通常のアクリル板よりさらに紫外線をブロックしてくれるアクリル板も登場しています!

私の好きな額縁メーカーであるラーソンジュールさんには、有害な紫外線を99%遮断してくれるという頼もしいアクリル板があります。
個人での直接購入はできませんが、額縁を売っているお店ならたいてい扱っているメーカーさんなので、こちらのUVカットアクリル板も取り寄せができると思います。

その名も「コンサベーション・クリア・アクリル」がこちら⬇︎

コンサベーション・クリア・アクリル
有害な紫外線を99%ブロックすることで作品の劣化を防ぎ、通常のアクリルよりもはるかに長期間にわたって作品を保護てくれます🐱

気になるかたはぜひお近くの画材店・額縁店で確認してみてくださいね。

場所はどこだろうと大切な絵画や写真を飾るなら、できればご紹介したような作品の保護を考えたUVカットのアクリル板で額装するのがおすすめです。

アクリル板はUVカットだけでなく、静電気をおびないもの・低反射のもの・映り込みを防止するものなどもあり、奥の深い世界です
近々アクリル板だけの特集記事を書きたいな

外壁側の窓の近くなど、結露する場所を避ける

寒暖差のでやすい外壁側の窓の近くは結露が発生しやすく、作品に影響を与える恐れがあるので、大切な絵画を飾るのは避けたほうが無難です。

作品や額縁にカビやシミができる恐れがあります。

空気の流れが悪く湿気のこもりやすい場所も、同じ理由で避けたほうがいいです。

日本では、夏はジメジメして湿気がこもりますし、冬も暖房器具による外との温度差で窓が結露することがありますので、一年を通して湿度には注意が必要です。

そのため、絵画は結露する場所は避けて飾るという大前提にプラスして、以下のような対策をおすすめします。

対策:換気扇をまわす、窓を開けるなど、換気をこまめにして家の空気を循環させる

料理をして火を使うときや、入浴後などは、必ず換気扇をまわすようにしてください。

また、冬でも窓を閉めきりにせず、時間を決めて定期的に窓を開けて空気を入れ替えましょう。

対策:湿度の高い環境・季節には除湿機を使う

除湿機を買うのはお金がかかりますが、快適な暮らしのためにもカビを繁殖させないことは大切です。

私の友人は湿気のでやすい家に住んでいて昨年カビに散々悩まされたので、ついに最近除湿機を購入。
おじゃました日は雨だったのですが、体感で「カラッとしてる〜」と、わかるくらい変化があって驚きました。
友人が言うには、部屋干しの洗濯物が「それっぽい乾き方じゃなくて、外干ししたみたいに乾く🦥」らしいですよ。

<br><br><br><br>




その除湿機がこれ
シャープの除湿機 CV-L180-W だよ!

シャープ プラズマクラスタ− 衣類乾燥除湿機 CV-L180-W
除湿機を設置して昨年の夏より快適になった友人の家

こちらが一晩除湿機をつけて溜まった水。
これだけの量の水分(湿気)が部屋にまき散らされていると思うと・・・おそろしや。

除湿機に溜まった水

シャープ 除湿機 衣類乾燥 18L / プラズマクラスター 7000 スタンダード 20畳 / 2020年モデル ホワイト CV-L180-W


対策:暖房器具をホットカーペットや床暖房にする

寒い季節、水蒸気を発生させない暖房器具を使うことで、湿気を抑えることができます。

床暖房にするのはリフォームが必要になってしまうので大がかりですが、暖房器具を選ぶとき、なるべく大量の水蒸気を発生しないものにすることや、ときどき窓を開けて換気をすることなどでも室内の環境は変わります。
今できるベストを尽くすように心がけたいですね。でもいつかは床暖房のある家に住みたい・・・(希望)

心地いい暮らしのためにすることが絵画や額縁にとってもいいことなら一石二鳥!

高さは、目線の高さから少し上くらい

絵画を壁に飾るとき、その部屋の窓の上端より高い位置にするとバランスが悪く見えるといわれています。

かと言って、下すぎても空間全体のバランスがうまくとれません。

通常はよく、目線の高さから少し上に飾りましょうと言われています。

ここで注意すべきことは、

それぞれの部屋によって基本となる姿勢がちがうので、目線の高さも異なるということです。

例えば、和室と玄関では基本姿勢がちがいますよね、
和室だと座布団とかでじかに座る姿勢
玄関なら立った姿勢が多い

ということは、和室より玄関のほうが、高めの位置に絵画を飾ったほうがいいということになります!

部屋ごとの、絵画を飾る最適な高さ


それぞれの部屋で、基本となる姿勢をもとにした絵画を飾るのに最適といわれる高さをご紹介します。

玄関や廊下

立った姿勢での目線の高さ。

床から作品の中心までが150〜160cmくらい。

リビングルーム(居間)

ソファに座ったときの目線の高さ。

ソファの上に飾るなど、ソファを基準にするなら、床から額縁の下端までが90〜110cmくらい。

ダイニングルーム(食堂)

食事をするときのテーブル・椅子を基準にして、ダイニングチェアに座ったときの目線の高さからやや高め。(立ち姿勢になることも多いことを考慮する)

床から額縁の下端までが110〜125cmくらい。

ベッドルーム(寝室)

置いているベッドを基準に高さを決める。

ベッドの上に飾るなら、ヘッドボードより額縁の下端が少し高くなるように、床から額縁の下端が120cm前後くらい。

和室

正座したときの目線の高さ。

床から額縁の下端までが80〜90cmくらい。

例えば、「玄関」とひと口に言っても、お家によって広さも天井の高さも違えば最適なバランスも変わってくると思います。
ご紹介した寸法はあくまでも目安なので、そこで生活する自分自身がどう感じるかが大切です。

壁にフックなどを取り付ける前に、飾りたい壁の前で飾る額縁(作品)を誰かに持ってもらって上下してもらうことで、自分がバランスいいと感じる高さを確認してください。

「ここ」という高さが決まったら、見失わないように額縁を持っている人に額縁の下端がくる部分の壁面にマスキングテーブなどでしるしをつけてもらうといいですよ。

フックを壁に取り付けるときはフックに額縁のひもがひっかかることでひもが伸びることを考慮して取り付けてください
「思っていたより下になっちゃった」というのはよくある失敗です
具体的には、ひもを持ち上げるように指でつまんで額縁の下端からの距離を測る方法があります
このあたりのことは、また別の記事に詳しく書きたいと思っています!

飾るものの大きさによって、空間にもたらす影響が変わることに注意

壁面スペースぎりぎりの大きさの絵画を飾っても作品がいきないばかりか、インテリア全体もバランス悪く見えてしまいます。

まずは、壁面のスペースに対して窮屈さを感じさせないサイズの絵画・額縁を選ぶのは大前提です。

それでは、
「大」「小」「縦長」別、絵画が空間にもたらす影響をご紹介します。

大きい絵画を飾ったとき

空間にフォーカルポイントとなるような大きい絵画を一点飾ると、空間に広がりが生まれます
不思議なのですが、大きな絵画が壁面にあると、そこに窓があるみたいな錯覚がして開放感を感じます。

でも、大きすぎる絵画や、大きくて強い印象の絵画だと、逆に空間に圧迫感がでてしまいますので、あんばいを見極めることはだいじです。

フォーカルポイント」については、前回の記事【家具をおく法則は2つだけ】にまとめているので、気になるかたはぜひご覧くださいませ。

強い印象の絵画は、サイズそのものより空間に対して影響が大きくなるから注意すべしだよ。

小さい絵画を飾ったとき

小さい絵画を一点飾ると、視線を集める効果があるので、部屋にアクセントをつけたいときにはおすすめです。

また、壁の一箇所にまとめて複数の小ぶりな絵画・額縁をランダムに飾る上級テクニックもあります。
このとき、飾る作品や額縁のテーマを合わせた方がいいと言われますが、合わせすぎて単調になることにも注意が必要です。

例えば、四角の中に楕円の額縁を混ぜるとか、あえて色が全然違うものを入れるなど、アクセントをつけることを意識してみてくださいね


異質なものを入れてアクセントをつけることで、より洗練された印象のウォールデコレーションになります。

縦長の絵画を飾ったとき


縦長の絵画を飾ると、天井が高く見える効果があります。

私の家がまさにそうなのですが、天井が低い、低すぎる・・・
父(身長178㎝)は、うちに来るとよくペンダントライトに頭をぶつけています。
うちほどでないにしても、日本は欧米に比べて天井が低いことが多いですよね。
縦長の絵画は日本のお家にこそ向いている形状だと私は思います。

家具と組み合わせて絵画を飾る

家具と絵画を組み合わせて設置するのはおすすめの方法です。

こうすることで、空間のバランスが整うだけでなく、相乗効果が生まれ、家具と絵画の両方を強調してかっこよく見せてくれます。

具体的には、ソファ、チェスト、ベッド、テレビ台などの家具と組み合わせます。

ソファの上の壁面に絵画を飾っているお家は映画でもよく見ますよね。

どこに絵画を飾ったらいいかわからないときは、まず家具と組み合わせて考えるといいですよ。
バランスのいいインテリアがつくりやすいと思います。

このとき気をつけるポイントは、

額縁の両端が家具の幅からはみ出さない大きさにするのがコツです

できれば、額縁の両端が、家具の幅から左右合わせて1/3くらいの余裕があるとすごくバランスよく見えますよ!

まとめ

壁に絵画を飾るときの原則5つをおさらいします。

1.直射日光を避ける

作品が変色・劣化してしまう恐れがあります。
日の当たる場所を避けることと、額装して作品の表面をアクリル板で保護してください。
UVカットアクリル板を使うのがおすすめです。

2.温度差が出やすく、結露するような場所を避ける

外壁側の窓の近くは危険、作品にカビやシミができてしまう恐れがあります。
年間を通して湿気には注意が必要で、換気と除湿を心掛けてください。

3.高さは、基本的には目線の高さからちょっと上くらい

その部屋で過ごす基本姿勢によって絵画を飾る最適な高さがちがうことに注意してください。

4.飾るものの大きさによって、空間にもたらす影響が変わる

きゅうくつな感じがするような飾り方は作品にもインテリア的にもよくないです。
大きな絵をどんと一点飾って空間に広がり効果、小さな絵を一点飾って視線を集める効果、縦長の絵を飾って天井を高く見せる効果があります。
複数の絵や額縁を一箇所にまとめてランダムに飾るなら、テーマを決めることにプラスして単調にならないようアクセントをつけることを意識してください。

5.家具と組み合わせて絵画を飾る

家具と絵を組み合わせると空間のバランスが整いやすいです。
相乗効果が生まれ、家具と絵画がお互いを引き立て合います。
額縁(絵画)の幅は、組み合わせた家具の幅からはみ出さないようにするのがコツです。

以上5つが、壁版の絵画を飾る最適な位置の原則でした。

あなたが壁に絵画を飾るとき、この5つの原則を頭の片隅に置いてくれたらうれしいです!

額縁を使ったウォールデコレーションには、平坦な空間を立体的にして、空間の雰囲気を簡単に変えてしまう力があります!

そこに壁があるなら!
いざウォールデコレーションすべし〜


今後は、実際に壁に額装品を取り付ける方法や、壁の材質によって異なるフックのつけ方、壁以外に絵画を飾る方法などもご紹介していく予定です。

次の記事も読んでいただけるようにがんばります、ぬん!

参考文献
全国額縁組合連合会発行「フレーマーテキスト改訂版 額縁 VOL1役立つ基礎編」
「第11章 額装品の計画」

コメント

タイトルとURLをコピーしました