こんにちは、カギ尻尾です。
おしゃれなインテリアをつくろうとしたとき、最初に迷うのは家具の配置ではないでしょうか?
おしゃれでバランスのいいインテリアを作るには、家具の置きかたが基盤になるので、悩ましいのは当然ですよね。
でも実は、知っておくべき法則は2つしかないんです。
家具をおく法則2つとは
- 部屋にひとつフォーカルポイントを作ること
- 複数の家具を並べるときは、背が高いものを中心に、山型になるように他の家具を配置すること
今回は、インテリアをバランスよくおしゃれにするためのコツを、家具の置き方にスポットをあてて、お話しします。
私は、イギリスアンティーク家具店で働いていたとき、3ヶ月に1回くらいの頻度で店内のディスプレイを一新していました。
シンプルモダン人気が続く日本で、私のように古い物好きな人はそう多くなく、アンティーク店のお客様は同じかたになりがちです。
ひんぱんに足を運んでくださるお客様をあきさせないように、3ヶ月に1回、家具を全移動。
絵画や小物なども移動して、店内をガラリと変えていました。
店内は、家具をお家に置いたときのイメージがわきやすいように、カーテンで区切って実際の部屋をいくつか作るようにディスプレイをしていました。
どんな人が住んでいるどんな部屋なのか、それぞれの部屋にテーマを決めてインテリアをつくっていました!
家具や絵画は配置を変えるだけで、今まで見向きもされなかったものが急に輝き出すことがあります。
これは、実際にインテリア(ディスプレイ)をつくっている私自身が何度も驚かされました。
常連のお客様にとっても同じだったようで、
何年も前から売れずに残っていた家具を「これ前からあった?」なんて聞かれることもしばしば。
インテリアの力でその家具の魅力が引き出され、買っていただけることは、とてもうれしくて勉強になる経験でした。
長い付き合いの家具が売れたときの感慨深さはひとしおで「幸せになれよ〜」という、わけのわからない親心(?)をこめて最後のワックスがけをしていました。
さて、配置を変えるだけで家具の魅力が輝き出すこの現象は、もちろんアンティーク家具にかぎったことではありません。
現代の家具でも同じです。
この記事が、これから引越しするかたや、なんとなくお家のインテリアが落ち着かない感じがしているかたの参考になったらとてもうれしいです!
家具をおく法則は2つだけ
部屋にひとつフォーカルポイントを作る
フォーカルポイントとは=見せ場
部屋にフォーカルポイントを作るということは、
意図的に、部屋の中で視線を集める場所(スポット)を作ってしまうことです。
フォーカルポイントは、視線を集めるひとつの家具のことを差すのではなく、
その家具を中心とした、小物なども含む空間のことです。
フォーカルポイントの具体例
- 和室の床の間
床の間は、掛け軸を飾り、掛け軸の横には骨董の香炉などが置いてある空間。
掛け軸がフォーカルポイントの中心になっていて、その周りを香炉や季節のお花が彩ることで、フォーカルポイントが完成しています。
床の間のある和室に入ると視線は自然とその空間にいくね
そう!それこそがフォーカルポイントなんだ
- イギリスの暖炉
イギリスでは暖炉をフォーカルポイントの中心にすることがよくあります。
暖炉は、額縁のような「マントルピース」と呼ばれる装飾の美しい枠で囲まれていて、これだけでも視線は奪われてしまうのですが、
マントルピースの天板にはさらに、銀製のキャンドルスタンド(燭台)が飾られたり、真鍮や陶器でできた置物や絵皿などによって彩られます。
イギリスインテリアのフォーカルポイントは、その家を表す「顔」そのもので、暖炉の上の壁面には、フォーカルポイントを圧倒的な存在感に仕上げるように、絵画が掛けられることが多いです。
フォーカルポイントを作る理由
おしゃれなインテリアをつくるための法則として、フォーカルポイントをつくることが効果的な理由、5つをご紹介します。
1.まとまりのある空間に見える
フォーカルポイントがあることで、インテリアがごちゃごちゃした印象にならず、空間にまとまりができます。
2.部屋に安定感が出る
フォーカルポイントに視線を集める効果があるので、視線が定まり、部屋に不安定な感じがなくなって安定感がうまれます。
3.他のものを配置しやすくなる
フォーカルポイントさえ決めてしまえば、そこを中心に他のインテリアをうまく配置できます。
4.個性を表現できる
家具や小物の国や時代・色・デザインの系統などを合わせた空間をフォーカルポイントとして作ることで、自分の好きが詰まった個性を感じさせる場所にすることができます。
5.部屋が単調にならない
意図的に見せ場を作ることで、空間に盛り上がる場所がうまれて部屋のアクセントになります。
フォーカルポイントのつくり方
フォーカルポイントのつくり方は、まずフォーカルポイントの中心にする家具を決めることから始まります。
中心の家具が決まればテーマも決まってくるので、あとはテーマに合う素材・国・色・時代・デザインの物をバランスよく足していくだけ!
大きい家具をフォーカルポイントの中心にする
これが一番かんたんなフォーカルポイントの作り方です。
大きい家具というより、「お部屋のランドマークにしたい家具」といった方がいいかもしれません。
お部屋のランドマーク的家具をフォーカルポイントの中心にすえます。
サイドボード、キャビネット、タンス、棚、机など・・・
目立つ・あるいは目立たせたい家具を中心にして、フォーカルポイントを作っていきます。
中心におく家具が決まってしまえば、あとはテーマを決めて、中心にした家具の周りに小物を配置して味付けしていくだけです。
実は、私もこの方法でインテリアを作りました!
私のように一人暮らしで、広くないお部屋のかたにはおすすめの方法です。
私が今の家に引っ越して間もない頃、自分には分不相応な家具を買いました。
好きすぎてあきらめられなくて、ぜえぜえしながら購入したイギリスアンティークのキャビネット。
私の広くない部屋では、このキャビネットが名実ともにフォーカルポイントの中心になっています。
壁にかけた絵画や鏡をフォーカルポイントに使う
フォーカルポイントを作るとき、床面ばかり気にしがちですが、壁面も忘れないでください。
絵画は最高のフォーカルポイントになってくれるよ!
絵画は大きさを選べるので、トイレや洗面所など狭い空間でもカッコよくフォーカルポイントになってくれる心強いアイテムです。
本物の絵じゃなくても、もちろん大丈夫!
印刷技術はすごいもので、ポストカードでもイメージに合った額縁に入れることで、じゅうぶんに雰囲気を出してくれます。
でも、広い空間になると、どうしても印刷物は軽い感じになりすぎてしまうので、そんなときは手描きの絵がおすすめです。
ギャラリー(画廊)などで開催している画家さんの個展に足を運んで、お気に入りの作品を探すという手があります。
また、海外旅行に行ったとき、現地の画家さんが描いた絵を購入してきて飾るのも、思い出を素敵なインテリアにできていいですよ。
鏡をフォーカルポイントに使うときは、むき出しより装飾されたものが目をひきやすくおすすめ!
鏡をフォーカルポイントにするメリットはなんといっても、部屋が広く見えること!
ミラーに映りこんだ風景のおかげで、部屋が奥にもずっと広がっているように見えます。
額縁に入れたミラーは装飾的で最高のフォーカルポイントになってくれますが、どうしても重さがでてしまうものです。
もちろん、相応の吊り金具とフックを使って壁にかければいいのですが、重いものを壁に掛けるのはちょっと・・というかたは、
額縁が竹や籐などで作られたミラーもあります。
竹は、アジアンテイストなインテリアにはもちろん、デザインによってはモダンシックな印象にも使えます。
籐編み(とうあみ)はナチュラルテイストで、明るくかわいいお部屋に。
重たい印象にならないのがいいです。
籐編み(とうあみ)はデザインが変われば印象もガラリと変わります。
個性的なマクラメ編みのミラーは優しい雰囲気を演出します。
軽くて大きさがそれほどないのに、フォーカルポイントの中心になれるくらいデザイン性のあるものが多いので、おすすめです。
植物をフォーカルポイントに加える
花瓶にいけた季節のお花や、鉢植えなどを加えることでフォーカルポイントが格上げされます!
よく見かけるのが、会社やホテルのエントランスで、コンソールテーブルの上におしゃれな花瓶にいけたお花を置いてフォーカルポイントにしている例。
スツールやシングルソファなど、家具の横に鉢植えを組み合わせてフォーカルポイントを作っている例もよく見られます。
日本の壁は白色が多く、家具は茶系になりやすいので、植物を置くことで差し色効果によって家具の色を美しく見せ、さらにキリッとしまったフォーカルポイントができます。
また、鉢植えなど天然のグリーンには、癒し効果があるだけでなく、なんと仕事の効率を上げてくれることが証明されているんです!
植物をフォーカルポイントに加えるのはお家で仕事をする人にとって一石二鳥といえますね。
家具を並べるときは、背が高いものを中心に山型になるよう配置する
複数の家具を並べるとき、どう配置したらいいか?
これも、家具屋の店員時代よくいただいた質問です。
ずばり、
いちばん背の高い家具を中心に配置します
その左右には、中心の家具より背の低いものを置くのが法則
そして、左右の家具は左右対称を意識し、同じ高さにそろえてあげるのがコツです!
そんなに広くない空間では、同じ壁面に家具が3つくらい並ぶことはよくあります。
こんなとき、部屋がごちゃごちゃしてやぼったく見えるか、洗練されたおしゃれな印象に見えるかは家具の並べ方にかかっていると言っても過言ではありません。
家具を山型に配置するとき、左右対称のバランス美を意識する
「左右対称のバランス美」には歴史に裏付けされた根拠があって、イギリスでは古くから「左右対称(シンメトリー)は美しい」と考えられ、実行されてきました。
ヴィクトリア時代では、あえて全く同じ家具2つをオーダーして、それをメインとなる大きな家具の左右に対で置いて、インテリアを美しく見せる技術が使われていたのです。
現代でもこの法則が使われている例としては、
寝室のベッドを中心に、ベッドより背の低い「サイドチェスト」や「サイドキャビネット」と呼ばれる同じサイズ・デザインの収納家具2つを、ベッドを挟んだ左右に置くインテリアです。
ちなみにアンティークのサイドキャビネットには、シンメトリーに置かれる前提で作られ、右用・左用で扉の開きかたが違うものがあるほどです。
高さバランスに重点を置いて家具を並べることは、洗練された印象のインテリアをつくるためには基本とされます。
でも現代では、ひとつの部屋に全く同じ家具を2つ置くというのは、ちょっとハードル高めに感じませんか?
う〜ん、限られたスペースなら用途のちがう家具を置きたいな・・・
だよね、
大丈夫!裏技があるよ
家具の配置を山型につくるときの裏技
インテリアはパーツパーツを見るものではなく、空間全体のバランスで見たり感じたりするものです。
インテリアの法則に縛られすぎずに、空間全体を見たときにバランスが整っておしゃれに見えるかどうかが大切だと思います。
もし、お持ちの家具がうまく法則にはまらないときは、これからご紹介する2つの裏技を使ってみてください。
左右に配置したい家具の高さがちがうとき、そろえる裏技
単純ですが、家具の天板に飾る小物を使って、左右の高さをそろえてしまうのが効果的です。
例えば、左に配置する家具が右の家具よりけっこう低いとなった場合、
左の家具の上に、ランプなど背の高い小物を置きます。
すると、左に置かれたこのランプが、右の家具とのバランスをうまく補ってくれるのです。
小物も含めた高さが左右同じになっていれば、空間をとおして見たとき、きちんと山型が形成され、やぼったさが出ません。
これで、インテリア全体がバランスよく洗練された印象にまとまります。
中心に置きたい家具の高さが足りないとき、左右の家具より高くなる裏技
こんなときは、壁を利用します。
スペースの都合上、テレビ台を中心に置きたい場合があると思います。
テレビ台は、テレビの高さを含めても他の家具より背が低くなりがちです。
そんなときは、テレビが置かれている真上の壁面に、絵を飾ることをおすすめします。
左右に配置する家具の高さをそろえる裏技と同じ原理で、絵を含めた高さが中心にくるテレビ台の高さということになるからです。
これで空間全体のバランスが整います。
まとめ
バランスのいいおしゃれなインテリアを作るには、まず、フォーカルポイントを作るのが効果的です。
フォーカルポイントには、お部屋のランドマークになる家具を置き、視線を意図的にそこへ集めます。
フォーカルポイントをつくるとき、家具や小物は、国・時代・色味・デザインの系統などを合わせるのがコツです。
そうすると雑然とした感じにならず、個性があるのにまとまりのあるフォーカルポイントができますよ。
複数の家具を同じ壁面に並べるときは、背の高い家具を中心にして、山型をつくるように置く法則を使うと、やぼったい感じになりません。
バランスよく洗練された印象に見せてくれる効果があるので、ぜひ取り入れたい法則のひとつです。
繰り返しになりますが、家具を山型に置く法則とは、
- いちばん背の高い家具を中心に置くこと
- 左右には、中心の家具より背の低いものを置き、中心の家具から山型を描くこと
- 左右に置いた家具は、左右対称(シンメトリー)を意識して同じ高さにそろえること
以上です。
置きたい家具の高さが、法則にうまく合わないときは、柔軟に裏技を使ってみてくださいね。
フォーカルポイントにしても、家具を山型に置くにしても、部屋の入り口近くではなく、奥につくるのが空間を上手に利用できて、部屋が広く見えるコツ!
まずは、あなたの部屋にフォーカルポイントを作ってみてください。
フォーカルポイントができたら、そこを中心にインテリアを組み立てていけるので、思ったより簡単に写真を撮りたくなるようなおしゃれなお部屋ができますよ。
今回は、前回の知っておくと考え方の指標になるような根っこ部分を書いた続き記事でした。
次は、おしゃれなインテリアをつくる上で欠かせない「絵を飾ること」にスポットをあてた記事になります。
次回も読んでいただけるような記事が書けるように頑張ります、ぬん!
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