こんにちは、カギ尻尾です。
前回記事では、石膏ボード壁に絵を取り付ける方法やアイテムについてお話ししました。
石膏ボードは、現在日本の家では主流となっている壁材のひとつですが「石膏ボードの壁は強くない!」という弱点があるので、安全第一で絵を取り付けるための方法やアイテムをご紹介したのでした。
今回は「壁を傷つけるわけにはいかない!」という状況の方に向けて、小さくて軽い絵(額縁)限定ですが、フックを取り付けるなどの壁を傷付ける方法を避けて絵を飾ることができる方法をお話ししたいと思います。
安全性の面では、どうしても専用フックには劣りますが、実際に自分が使っていて便利かつ、見た目がいいものばかりを厳選してご紹介します。
さっそくですが、その邪道だけど使える「壁を傷つけずに絵を飾る方法・アイテム」はこちらです⇩⇩⇩
1・「粘着ゴムを使う」
(「ひっつき虫」という商品が便利)
2・「画鋲(押しピン)を使う」
(とりあえずで飾るには便利で見た目もスッキリ)
3・「スタンドを使う」
(アンティークの額縁など、吊金具をつけられない額縁を飾るのに便利)
以上です。
実際にこれらのアイテムを使って絵を飾っている画像を見ていただきながら、使い方のポイントをお話ししていきます。

15年間、作品を額縁にいれる額装の仕事をしていた私カギ尻尾
今回は邪道だけど実際使ってみて便利だなと思った方法やアイテムをご紹介します!
この記事が、「壁を傷つけたくないけど、ちょっとした絵とか飾りたいんだよな」と、お悩みのかたの参考になればとてもうれしいです!
壁を傷つけずに絵を飾る方法・アイテム
それでは、壁を傷つけず絵を飾るために使えるアイテムや飾り方をご紹介していきます。
安全性の面では専用フックに劣りますが、ものによってはかなり使えますよ。
簡単便利で、見た目もよく飾れるアイテムを厳選したのでよかったら参考にしてください。
「粘着ゴム」を使って飾る
写真やポストカードをそのまま飾るなら「粘着ゴム」が使えます。
おすすめはこちら、その名も「ひっつき虫」!

これ、「作ってくれてありがとーーー!」と言いたくなるような便利アイテムです。
粘着ゴムのメリット
- 壁に跡が残らない(「ひっつき虫」)
- 取り付けがとても簡単で、金槌や釘などの工具も必要なく手軽
- フックと違って額縁に傾斜がつかず、壁にぴったり添って飾ることができる
(傾斜をつける方がいい場合もある)
粘着ゴムのデメリット
- 額装した絵画は基本飾れない
- 軽いもの限定
実際に「ひっつき虫」を使って飾ったものがこちらです⇩⇩⇩

額縁に傾斜がつかず、壁にぴったり添う感じになるので小窓がついてるみたいな雰囲気です。
おなじみのアニメ「アンパンマン」のポストカードを額装したものを飾っています。
カードは、アンパンマンの原作者である「やなせたかしさん」の原画展に行ったときに購入しました。
額縁はキッチン雑貨のお店で110円で購入したものです。
ポストカードを額装するにはきゅうくつなサイズですが、木目の野性味あふれる感じと、何より軽さが気に入っています。
額装はちょっとこだわって、マットは端切れをパズルのように組み合わせて作りました。
こんなにつぎはぎのマット額装は通常ではしないと思いますが、自分の持ち物なので、遊び心重視でやってみました。
この額装はTwitterに載せているので、よかったらのぞいてくださいね!

ここで注意してほしいことは、本来「ひっつき虫」は、ポスターなどの紙をそのまま壁に飾る目的で作られたもので、額装したものを壁に取り付けることは想定されていない商品です!

本来、紙などをそのまま飾るための商品ですが、上の写真では額装したものを飾っているので、重量オーバーで落下の可能性は当然考えられます。
とりあえず、取り付けから1ヶ月以上経過しましたが、今のところは変化はありません。
その理由は、今回使った額縁はポストカードサイズと小さいこと。
さらに、表面がガラスではなくペラペラのエンビ板であること、フレームに使われている木材自体がスカスカでかなり軽いことにあると思います。
また、こちらはフォトフレームのため、元々は裏板にスタンド(足)がついていましたが、スタンドを取りはずし、重さを極限まで軽くて、裏側がなるべく平らになるように工夫しました。
こちらは「ひっつき虫」を取り付けた額縁の裏側です⇩⇩⇩

白くて四角の物体が「ひっつき虫」です、裏板の4箇所につけています。
裏面はなるべく平らな方が額縁をしっかり壁に固定しやすいので、吊金具もはずしてあります。
今回、フレーム自体にひっつき虫をつけなかったのは、マットを入れたことで裏板が少しふくれているからです。
本来は、裏板ではなく、フレームにひっつき虫をつけるのがより安全だと思います。
「ひっつき虫」を額縁につける時はなるべくをつぶさないようにして、壁にくっつけるときは「ひっつき虫」がついている部分をしっかり表から押さえて固定することもポイントです。
*今回は、かなり軽い額装品なので、落下しても危険はほほなく、もし額縁が破損してもあきらめがつくと判断し、自己責任でやっています。

ガラスが入っている額縁の場合は、小さなサイズだとしても「ひっつき虫」などの粘着ゴムで飾るのは絶対ダメ!危険だよ

画鋲(押しピン)
画鋲(押しピン)を2本を同じ高さになるように壁に刺して、そこにキャンバスやパネルの枠を引っ掛けて飾る方法です。
これは邪道ではありますが、空間の雰囲気を変えたいとき、手軽にできる方法なのでよくやっています。
額装品にはおすすめしませんが、キャンバスの絵をとりあえずそのまま飾るにはとても便利です。

画鋲のメリット
- 取り付けが簡単で、工具も一切必要なし
- トイレなど狭い空間に飾っても、圧迫感が出ずに立体的なインテリアに見せることができる
画鋲のデメリット
- 小さくて軽いもの限定
- 基本的に額装品には使えない
(画鋲でなく、長くて頑丈なピンを使えば可能領域が広がります) - キャンバスのように画鋲をひっかける部分があるものにしか使えない
- 絵にほこりなどがついて汚れる
(手描きの原画より印刷の絵の方が汚れたとき対処できます)
実際に画鋲を使って飾るとこんな感じ。

狭い空間ながらもアクセントができました。
窓がないので、明るい印象になったのが嬉しいです。
これは私自身が描いた絵なのでこの方法を使っていますが、大切な作品にはおすすめしません。
理由は、接触するなどしたとき落下する可能性がありますし、額縁に入っていないので、作品が汚れることも考えられるからです。
この絵はアクリル絵具で描いているため比較的強いのですが、ほこりなどで汚れることを考えると、手描きの作品ではなく、キャンバス地に印刷された絵を買ってきて飾る方がいいかもしれません。

大切な作品はきちんと額縁に入れて保護してあげましょう!
そして、専用のフックを使って安全第一で飾ってくださいね。
スタンド
壁掛けではなく、スタンドに絵をのせて飾る置き型の方法です。
これは壁に穴を開けたくない場合だけでなく、アンティークなどの古い額縁にありがちな、強度面が不安で壁掛けできないものを飾るときにもおすすめな方法です。
スタンドのメリット
- 置くだけという手軽さ
- 場所が気に入らなければすぐに移動できるので気楽
- スタンド自体、様々なデザインや材質のものがある
- アンティークフレームなどの吊金具を取り付けることができない額縁も飾ることができる
スタンドのデメリット
- 小さくて軽いもの限定
- 安定感に不安がある商品もある
- 倒してしまう危険がある
スタンドには様々なタイプがありますので、種類別にスタンドで絵を飾る方法をご紹介します。
1.イーゼルタイプの木製スタンド

ベッドの横に置いているので眠れない時などにすぐ手にとって読めるところが気に入っています。
このタイプは、画材店や百円ショップなどでも購入できる手軽さがいいです。
ただ、掃除のときなど倒しやすくて、その結果乗せたものを傷付けるという難点もあります。
以前は、このスタンドに額装品を置いていましたが、何度もこのスタンドを倒して額縁を傷つけた私。
今は、壊れ物を乗せないようにして、絵本やキャンバスをそのまま置いて飾るようにしています。
2.お皿立てタイプのスタンド
イーゼルタイプより安定感があって倒しにくいのがこちら、お皿立てです。

お皿立ては、素材も大きさも様々なものが販売されていますので、作品や額縁を乗せたとき違和感が出ないようなものを選ぶことが大切です。
実際にこのスタンドを使って飾っているのがこちらです。

繊細な彫刻が施された額縁なので、雰囲気を損なわないように真鍮製のお皿立てを選びました。
この額縁は、骨董市で購入した日本の古い額縁です。
元々は壁に掛けて飾ることを考えていましたが、木がかなり乾燥していて負荷をかけると簡単に破損してしまう状態なので、吊金具をつけることもできず、壁掛けを諦めました。
でも、スタンドで飾ったことによる違和感はなく、家具の上に乗せたら家具まで引き立ててくれています。
この額装はTwitterに載せていますので、よかったらのぞいてくださいね。

3.足を額縁につけるタイプのスタンド
フォトフレームについているような「足部分」を、額縁の裏に取り付けて絵画を飾ることもできます。
なかでもおすすめがこちら、「イーゼルスタンド」というイタリア製の商品です。


今まで額縁の裏板に接着するようなスタンドが多かった中、これはすごく画期的なアイテムなんです。
裏板に差し込むだけなので接着剤も工具も必要なし、うまくいかなければやり直せるという気楽さ。接着剤を使ってしまうと取り外しができなくなるので、接着剤を使わないというのは最高のおすすめポイントです。
安定感があって倒れにくく、何より安っぽくなくてアンティークの額縁にも合うデザインなのが気に入っています。

美の発祥・芸術の国イタリアならではの商品だよ〜
実際にこのスタンドを使って飾っているのがこちらです。

額縁はイギリスアのンティークで、吊金具を取り付けることができない造りになっているため壁掛けはできません。
かなり細身のフレームなので、先程ご紹介したようなお皿立ては合わず、アンティーク特有のガラスが入っているので「ひっつき虫」やイーゼルは論外、危険すぎる・・・
と、いうことで額装したもののずっと飾れずに悩んでいたこの額縁。
このスタンドを見つけたときは嬉しかったことを覚えています。

アンティーク額縁の救世主!
こんなスタンドがあると助かります
額装している絵は美術館で購入したヴィンテージのカードです。
額装は私がしました。
マットに椅子生地を貼ってクラシックな感じにしています。
この額装は、ご紹介したスタンドと一緒にTwitterへ載せているので、よかったらのぞいてみてくださいね!
この「イーゼルスタンド」とてもおすすめの商品なのですが、今のところインターネットで購入できるところがないようです。
メーカーは「福岡工業株式会社」さんというところなのですが、小売販売はされていません。
私は2020年に神保町の画材店「文房堂」さん(額縁売場)で購入しました。
残念ながら文房堂さんのオンラインショップでは今のところ掲載がありませんでした。
もし欲しい方がいらしたら問い合わせしてみるといいかもしれません。

ご紹介したいアイテムはこれで全部です!
専用のフックを使って飾るのが安全でいいのは間違いありませんが「どうにもできん」という場合もありますよね。
そんなときには、今回ご紹介した方法やアイテムを安全確認しつつ試してみてくださいね。
まとめ
今回は、石膏ボードに安全に絵を飾る方法をまとめた前回記事の番外編として、壁に傷をつけずに絵を飾る方法をお話ししました。
私個人の意見ではありますが、普通のフックを使うより見た目よく飾れるように思います。
もちろん、軽いもの限定なので飾れるものは限られてしまいますが・・・
「ひっつき虫」「画鋲」を使う方法は、絵に傾斜がつかず壁にピタッと飾れるところが気に入っていて、狭いスペースには向いているように思います。
「スタンド」は、絵・額縁・家具とスタンドのコーディネートが楽しめて、のせた家具の雰囲気も上がるんです!
ご紹介した方法は、メーカーさんが想定していない使い方をしているものが多いので、自己責任になってしまいます。
無茶はせず、どうか安全に気をつけて飾ってくださいね。

本来は、きちんと専用のフックを使って飾るのが安全で、いいのは間違いないのだけど・・・

そうはいかないという場合もあるよね
そんなときは、今回ご紹介した方法やアイテムをじっくり安全確認しつつ試してみてくださいね!
次回の記事は、壁に絵画(額縁)を飾るとき、狙い通りの場所にビシッと飾るための方法をご紹介します。

楽しく読んでいただける記事になるように頑張ります、ぬん!
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