壁に絵を飾る方法 #3【思い通りの位置に絵を飾るためにする7つの手順】

こんにちは、カギ尻尾です。

絵を壁に取り付けてホッとひと息、距離をとって眺めてみると『なぜか考えていた位置から絵がずれてる』という経験はありませんか?
きちんと壁に印をしてその位置にフックをつけたのに、「あれ?こんな下じゃないはず・・・」なんてこと。

これは、額縁や絵につけた吊りひもが伸びることを計算に入れなかったことが原因でよく起こる失敗です。

そこで今回は、石膏ボード壁に絵を飾るとき押さえておくべきこと4つの続編として、狙った位置に絵を飾るための方法をご紹介したいと思います!
とくに、ひとつの壁面に複数の絵を飾るときには、ぜひ試していただきたい方法です。
複数並んだ絵が少しずつズレているのは気になるものですよね。
これからご紹介する方法を使えば、ほとんどズレがなく、絵をかっこよく並べて飾ることができますよ。

15年間、作品を額縁にいれる額装の仕事をしていた私カギ尻尾
その後アンティーク家具店で働いたとき、実際に絵画やミラーを壁に取り付ける作業を数多くこなしたことで得た知識もたくさんありました
今回は知っておくと便利な、思い通りの位置に絵を飾るための手順をご紹介します!


さっそくですが、「思い通りの位置に絵を飾るためにする7つの手順」は、こちらになります。

1.飾る絵(額縁)の吊りひもがどのくらい伸びるかを測る=これを仮にA」とする

2.飾る壁面に、絵の縦ラインの中心位置を印する

3.絵の高さを決めて、絵(額縁)の下端がくる位置に印する

4.天井から3でつけた印までの長さを測る=これを仮に「B」とする

5.4の長さから1の長さを引き算する=これを仮に「C」とする 
「B」ー「A」=「C」

6.天井から「C」を測って印をつける

7.2の縦ラインと「C」の印が交わる点にフックを取り付ける

以上が一連の流れです。

一人だと距離をとって位置を確認しながら作業するのが難しいから、二人以上で作業するのがおすすめだよ!


これからこの手順をわかりやすくご紹介していきます。原理自体は単純なので、実際やってみると簡単にできますよ。

おしゃれなウォールデコレーションをイメージ通りに完成させるために、この記事があなたのお役に立てばうれしいです!


思い通りの位置に絵を飾るためにする7つの手順

それでは、ズレることなく思い通りの位置に絵を飾る方法を、手順1から7まで順番に詳しくお話ししていきます。

1.飾る絵(額縁)の吊りひもがどのくらい伸びるかを測る

ひもはフックに引っ掛けられたとき必ず伸びます。

絵を飾ったら思っていたより下になってしまったという失敗をしないために、まず吊りひもが何センチ伸びるかを測ることが大切です。

吊りひもの伸びを測る方法

単純なやり方です。

ひもの伸びを測ります

画像のように、飾る絵(額縁)の吊りひもを指でつまみ上げ、額縁の下端からひもの山部分までの距離を測ります。ここではこの長さを仮に「A」とします。

画像の例で言うと「A」=25cmだね

*フック二個で吊る場合は、フックにかかる辺りのひもを二箇所でつまみ上げて、上記と同じように一番高い部分を測ります。

2.飾る壁面に絵の縦ラインの中心位置を印する

絵を飾る縦のラインを決める作業です。
壁面のどこに絵の中心をもってくるかを決めて、壁に印をつけます。
空間全体のバランスを考えながら、絵があると気持ちいい位置を探してくださいね。

ひとつの絵をメインとして飾る場合は、壁の中心に絵の中心縦ラインがくる、いわゆる『壁面の中心イコール絵の中心』にするとバランスよく見えます。

必ずしもそうでなければいけないということはなくて、キャビネットやベッドなど、家具と絵を組み合わせて飾るなら、壁面の中心を合わせるよりも家具の中心と絵の中心が合っている方がバランスがいいです。

また、複数の絵を飾るなら、絵の両端の壁面スペースを均等にすると空間がすっきり整って見えます。

絵の縦ラインの中心を壁に印する方法

まずは鉛筆で薄く仮の印を壁面の上下二箇所につけてから、その印に合わせてマスキングテープでラインを引きます。

詳しくは、こんな感じです。
壁面の中心を絵の中心とする場合、壁の右端から左端までの寸法をメジャーなどで測って、中心を鉛筆で軽く印をつけます。
このとき、天井側の壁面と床側の壁面上下二箇所以上に印をつけると後々ずれにくいです。

鉛筆でつけた仮の印に合わせてマスキングテープなど(簡単にはがせて跡の残らないテープ)でわかりやすい印をつけ直します。
このとき、もったいない気もしますが、上(天井)から下(床)までしっかりテープでラインを引くのがわかりやすいのでおすすめです。
また、テープにはある程度の幅があると思いますが、仮印に合わせるのはテープの右端なのか左端なのかを統一して間違えないようにしてくださいね。


このマスキングテープをよく使うのですが、剥がしやすくてノリ残りもほぼありません。手で簡単に切れるので作業がしやすくておすすめです!

3.絵を飾る高さを決める

絵をどのくらいの高さに飾るかを決める作業です。

絵の高さは目線の高さくらいがベストと言われていますが、一概には言えなくて、部屋によっても違います。
その辺のことは、「インテリアをおしゃれにする方法 #3」の【絵画を飾る場所5つの原則(壁編)】で詳しく書いていますので、よかったらそちらをご覧になってくださいね。
そこにいる人が居心地よく感じる『良きバランス』を見つけて絵の高さを決めましょう。

絵を飾る高さを決める方法

ここからは二人以上でする作業になります。
絵を飾ったときのシュミレーションをして高さを決め、絵(額縁)の下端がくる位置に印をつけます。

まず、助っ人が絵を飾る壁の前に立って絵(額縁)を持ち、自分は離れた位置から部屋全体を見ながら高さを検討します。

このとき、2で引いた縦中心ラインと絵の中心が合うように額縁を持ってもらってください。

「もうちょっと上」とか、「いや、もっと下」「そこそこ」という感じで、助っ人に絵を上下してもらい、飾った時ちょうどいい高さを決めます。これはなかなかの肉体労働です・・・

高さが決まったら、壁に印をつける工程に入ります。
額縁の下端がくる位置を左右両方マスキングテープで軽く壁に仮印をつけます。
それが終わったら助っ人は額縁を降ろして大丈夫です!
その後、曲がらないように気をつけながらこの仮印をマスキングテープでつないで完了になります。

このとき、曲がってしまうのが心配なかたは、2でつけた中心ラインに直角定規をあてて印をつけると、まっすぐテープを貼ることができますよ。

こちらは精度が高い「シンワ測定」さんの直角定規で、薄くて平たいので使いやすいです。ステンレス製なので丈夫で、長辺が50cmあるところもおすすめポイントです!いろいろなDIYに活躍してくれますよ。

4.天井から絵(額縁)の下端までの長さを測る

先ほど3の工程で付けた印から天井までどのくらいの長さがあるかを測る作業です。

天井から3までの長さを測るやり方

メジャーまたは定規を、2の縦ラインに沿わせて、天井から3の工程でつけた印まで何センチあるかを測ります。ここではこの長さを仮に「B」とします。

3でつけたテープの印

画像の例で言うと「B」=70cmだよ

5.4で測った長さから1の長さを引き算する

天井から額縁の下端までの長さから、額縁の吊りひもの伸びを引き算します。

天井から額縁の下端までの長さから、吊りひもの伸びを引き算する方法

 「B」から「A」を引き算します。
「B」ー「A」をして出た答えをここでは仮に「C」とします。

画像の例で考えるなら「B」70cm「A」25cmなので、70ー25という計算式になります。
答えは45です。

画像の例で言うと「C」=45cmになるね

6.天井から「C」までを測って印をつける

天井から「C」までの長さを測って印をつける作業です。

「C」の印をつける方法

先ほど5の工程で計算して出た答えが「C」です。「C」の位置を壁に印しましょう。
例の場合だと「C」=45なので、天井から45cmを測ってマスキングテープで印をつけます。

このとき、2でつけた中心ラインと垂直になるように印がつけられるとさらに安心です。気になるかたは、2の中心ラインに直角定規を当てて作業をするときっちり印がつけられますよ。

この直角定規は、薄くて平たいので直角がとりやすいのがポイントです!
これ、長辺が50cmあります。長さがあるところがまた便利なんです、が、収納場所をとりたくないという方もいらっしゃるかもしれません。
なるべく小さな直角定規をお探しでしたら、折り畳みができて、自由に角度調節できる「Winzwon 自由スコヤ 」という商品もおすすめ・・・なのですが、残念ながら2021年10月1日現在、Amazon・楽天・Yahoo・モノタロウなど様々なサイトを確認しましたが、在庫切れなど、単品で販売しているところが見つかりませんでした。そのうち入荷することを期待します。

Winzwon 自由スコヤ 四角タイプ
画像引用元:eny
「Winzwon 自由スコヤ 四角タイプ」


7.2のラインと6の交わる点にフックを取付ける

最後の工程です。
いよいよフックを取付けます。

フックを取り付ける方法

2の中心縦ラインと、6でつけた「C」の印が交わる点にフックがくるようにピンを打ち込みます。
画像で言うと、星のマークのところです。

フックの取り付け位置

このとき、交わる点にピンを打ち込むのではなく、交わる点にひもを下げる部分がくるように注意してください。
画像で言うと、星のマークの場所にフック部分がきます。

フックを取り付けたら、ピンがしっかり入っているか、抜けてきてしまうような気配はないかを確認します。

石膏ボード壁の場合、ピンを打ち込んでもしっかり固定されず抜けてきてしまうことがあるので、石膏ボード用の安全対策がされているフックを使うことが大切です。

画像で使用しているフックは、「かけまくり」という名前の石膏ボード壁専用フックで、ピンを押し込むと壁の中で針が開くため、石膏ボードの弱点をカバーできる構造です。
取り外した跡も小さくて目立たないので気に入ってよく使っています。
こちらは安全荷重が2.5kgまでの商品ですが、同じ東洋工芸さんの「かけまくり」では、これより大きな物も販売されているので、飾る絵の重さに合わせて選ぶことができますよ!


石膏ボード壁の弱点についてや、おすすめのフックは【石膏ボード壁に絵を飾るとき押さえておくべきこと4つ】という記事に詳しくまとめているので、よかったらご覧になってくださいね。

横長の絵や、重さが心配なときにはフックを2つ付けてください
このとき、フックどうしが近すぎない方が額縁が傾きにくく、重さもうまく分散されますよ!

フックに絵をさげて、吊りひもを微調整したら完成です。
これで全行程が終了しました!

まとめ

今回は、絵を狙った位置からズレずに壁へ取り付けるための手順をご紹介しました。

ご紹介した7つの手順を簡単におさらいするとこちらになります。

1.飾る絵(額縁)の吊りひもがどのくらい伸びるかを測る=Aとする

2.飾る壁面に、絵の縦ラインの中心位置を印する

3.絵の高さをどのくらいにするか決めて、絵(額縁)の下端がくる位置に印する

4.天井から3でつけた印までの長さを測る=Bとする

5.4の長さから1を引き算する、BーA=Cとする

6.天井からCまでを測って印をつける

7.2の縦ラインと6でつけた印の交わる点にフックを取り付ける

以上です。

今回ご紹介した方法は、壁の材質を問わず使えますので、よかったら試してみてくださいね。

これまで『壁に絵を飾る方法』と題して、石膏ボードの壁に絵を飾る方法をご紹介してきましたが、今回がこのシリーズの最終章となります。

石膏ボード壁の弱点をおさえて安全に額縁を飾ってほしい!」そんな思いで始まった第1章の【石膏ボード壁に絵を飾るとき押さえておくべきこと4つ

壁を傷付けたくないな、でも絵とか飾りたい」っていうの、あるよな。って思って、実際自分がやっていることをご紹介した第2章の【壁を傷つけずに絵を飾る方法・アイテム

そして今回の【思い通りの位置に絵を飾るためにする7つの手順】でした。

すてきなウォールデコレーションをつくるのに、このシリーズが誰かの役に立ったらこんなにうれしいことはありません。

あなたのお部屋がもっと居心地のいい空間になりますように

楽しく読んでいただけるように、次回もがんばります、ぬん!

参考文献
全国額縁組合連合会発行「フレーマーテキスト改訂版 額縁 VOL2 役立つ技術編」
「第9章 壁面取り付け知識」

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