こんにちは、カギ尻尾です。
先日「五大浮世絵師展―歌麿、写楽、北斎、広重、国芳」に行って以来、浮世絵の世界にすっかり魅了されています。
浮世絵についてもっと知りたくなって、大型書店を見てまわり浮世絵について書かれた本を片っ端から手に取ってみました。
そして「これだ」という本を何冊か見つけたので、今回は、全ワタシが感動した!浮世絵に関するおすすめの本をご紹介します。

「浮世絵のことをもっと知りたいけど、どの本がいいの?」と迷っているあなたの参考になったら嬉しいです!
浮世絵初心者にもわかりやすい!おすすめの本4選
せっかくお金を出して本を購入するからには、ウェブ検索ではたどり着けないような「情報量の多さ」があることが大事です。
さらに、本だからこその「信頼性」と「専門性」が高いという点も譲れません。
そして、コレクションする喜びも欲しいので、「ビジュアル資料(絵がたくさん載っている)が充実している」と嬉しいです。
今回はその辺を踏まえた上で、おすすめの本を4冊ご紹介します!
浮世絵の入門書ならこれ!『面白いほどよくわかる浮世絵入門』

画像引用元:https://books.rakuten.co.jp/rb/15976963/?s-id=bh_pc_item_list_image
浮世絵についてもっと知りたいと思い、実際に探したとき、浮世絵の入門書は世の中に溢れているわりに「わかりやすさ」と「情報量の多さ」が両立している本というのは意外と多くないように感じました。
この本は、そもそも「浮世絵がどうやって作られるのか」というところから、当時の道具類なども写真付きで掲載されていて、初心者の私にもすごくわかりやすかったです。
また、ビジュアル資料が多いだけでなく、情報量も多く、内容も充実しています。
予備知識がほぼゼロでも、これを読めば浮世絵についての知識がかなりつくので、まず手始めに読むならこの本がおすすめです!

専門性の高さと情報量が圧倒的!『北斎と廣重─美と技術の継承と革新』

画像引用元:https://books.rakuten.co.jp/rb/17170927/?s-id=bh_pc_item_list_image
この本のおすすめポイントはなんと言っても、最新デジタル技術で北斎・廣重の作品を超高精細解析しているところ。
それは”20億画素の超高精細画像と3次元質感処理により、版画の線の凹凸や和紙の繊維まで可視化している”という圧巻のスケールです。
著者・監修は、文化財のデジタルアーカイブ技術に長けた久保田巖氏。巻末には、技術・保存・デジタル鑑賞時代の可能性についての論考もあります。
ビジュアル資料としてのボリュームもあり、葛飾北斎の『冨嶽三十六景』46図、歌川廣重の『東海道五十三次』55図を全点収録しています。
また、版木や紙質の細部まで高精細で再現されており、研究・鑑賞の資料としても非常に価値が高く、これはウェブ検索では到底得られないものだと思います。
また、図版だけでなく、解説がわかりやすく情報量も多いところでもおすすめです。
すでに北斎や廣重の作品集を持っている方も、新たな発見があると思います。
高品質印刷と詳細解説により、「ビジュアル」と「理論」の両面で満足できる内容になっています。
浮世絵をより深く理解したい方、技術的背景や保存・複製の現代的意義に興味ある方は、ぜひ手に取ってみてください。

この本を見つけたとき「これぞ本を買う意義」と、大興奮しました!

『江戸文化の仕掛け人 蔦屋重三郎と若き芸術家たち』

画像引用元:https://books.rakuten.co.jp/rb/18018898/?s-id=bh_pc_item_list_image
浮世絵作品を見ていると、版元のところに「蔦屋重三郎」という名前を目にしたことがある方は多いと思います。
蔦屋重三郎は江戸時代中期から後期にかけて活動した版元であり、喜多川歌麿や東洲斎写楽という大スターを生み出した”江戸の腕利きプロデューサー”として有名です。
この本は、大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」に連動し、蔦屋重三郎と当時活躍した若き芸術家たちの関係性を、浮世絵や戯作を通じて描いた内容となっています。
浮世絵ファンや歴史好きにとって、蔦屋重三郎がどのように才能を発掘し世に送り出したか、その「プロデュース力」を具体的に知れる点が魅力です。
蔦屋重三郎がプロデュースした絵師(歌麿、写楽、北斎、山東京伝、十返舎一九、大田南畝など)の仕事やエピソードが丁寧に紹介されていて、江戸時代の文化背景と人物相関などからも理解が深まります。
図版やコラム、年譜、作品解説、略歴一覧などの資料ページも充実していて、視覚的にも学びやすい本です。
版元に主眼を置いて書かれていて、人物とエピソードから江戸文化を味わえる構成になっているので、浮世絵初心者にも親しみやすく、また中級者以上の方も楽しめると本だと思います。
大河ドラマ「べらぼう」を見て高まった関心をさらに深めたい方にもピッタリの一冊です!

猫好きの国芳ファンは必読!『ねこと国芳』

画像引用元:https://books.rakuten.co.jp/rb/11943410/?s-id=bh_pc_item_list_image
歌川国芳の描いた猫をテーマにまとめた浮世絵作品集です。
”猫を中心に収録された作品約76点で、登場する猫はなんと総勢352匹にもおよびます。”
有名な『其まゝ地口猫飼好五十三疋』をはじめ、団扇絵の猫役者、妖怪猫、お当字を猫で表現したものなど多彩。
この本は、猫好き・浮世絵入門者にはもちろんですが、単純にデザインやイラストの参考にもなると思います。
作品ごとに解説文があり、見開き構成で作品と解説が対になっており、猫やその仕草にフォーカスした拡大図も豊富なので、見やすく、理解しやすいです。
解説文は英語併記でも書かれており、海外の浮世絵ファンも楽しめる仕様になっています。(The explanatory texts are written with English translations, making the book appealing to international fans of ukiyo-e.)
一般的な絵画作品集はビジュアル要素が強くなると思いますが、この本は、”天保の改革によって美人絵・役者絵が規制された時に、猫を主題にすることで表現の幅を広げた戦略性も読み解ける”情報量と質の点でもおすすめです。
江戸時代の庶民文化や猫と人間との関係を視覚的に味わえるため、生活史的にも面白い発見ががあります。
また、しおりの先に猫のモチーフが付いているという遊び心もあり、猫好きにはたまらない本です!
浮世絵を学ぶのにウェブではなく本を選択する理由6つ
何かを知りたいと思ったとき、ウェブ検索をすれば手軽に情報が手に入るし、生成AIに質問すれば、知りたいことを簡単に教えてくれます。
それならどうして敢えてお金を出して本を買うのか?
それは、本だからこそ得られるメリットがあるからです!
ここでは、実際に私が感じている「本で浮世絵を学ぶことの利点」についてお話しします。
1.「保存性とアクセス性」
書籍は物理的に手元に残り、インターネットに接続せずに何度でも参照できます。
また、付箋を貼ったり、メモを書いたりすることで、唯一無二の自分にとってわかりやすい最高の資料に育てることができるのも本ならではだと思います。
本は、長期間使える資料として、学習や趣味の継続に最適です。
2.「信頼性と専門性が高い」
本は専門家や研究者によって執筆・編集され、事実確認(ファクトチェック)が行われています。
浮世絵に関しては、美術史や日本文化に精通した研究者による詳しい解説が得られます。
3.「高品質なビジュアル資料が充実している」
浮世絵はビジュアルアートなので、作品が数多く掲載されている本なら高解像度の画像で色彩や筆致を楽しめます。
さらに、紙質や印刷技術によって、デジタルでは表現しきれないニュアンスを感じられます。
つまり、コレクション性が高いという点も浮世絵の本の大きな魅力です。
4.「体系的・網羅的な知識が得られる」
本は、一つのテーマに沿って情報が整理されているため、断片的でなく「流れ」や「背景」まで把握できます。
浮世絵の起源、技法、画家ごとの特徴、社会背景などが一貫して学ぶことができるのも、本ならではの魅力です。
5.「専門家の視点・分析に触れられる」
多くの書籍には著者独自の考察や見解が含まれており、読み手の理解や興味を深める手がかりになります。
6.「深く読む姿勢になれる」
これは個人的な考えになりますが、紙媒体の本は、集中して知識を深める環境が整いやすく、「ながら読み」になりにくいです。
特に、浮世絵のような奥深いテーマには、時間をかけて読み込むのが適していると思います。
まとめ
本はウェブ検索ではたどり着けないような「情報量」、そして、信頼性と専門性の高さという「情報の質」の面でも魅力です。
特にアート関連の本は、ビジュアル資料(絵がたくさん載っている)が充実しているものが多いので、コレクションする喜びもありますよね。
最後に、今回ご紹介した本をまとめておきます。
タイトル | おすすめポイント |
『面白いほどよくわかる浮世絵入門』 | 手始めに読むならこの本!ビジュアル資料多数、わかりやすさと情報量の多さが両立した浮世絵の入門書。 |
『北斎と廣重─美と技術の継承と革新』 | 最新デジタル技術で北斎・廣重の作品を超高精細解析。高品質印刷と詳細解説により、ビジュアルと理論の両面で満足できる! |
『江戸文化の仕掛け人 蔦屋重三郎と若き芸術家たち』 | ”江戸の腕利きプロデューサー”として知られる版元に主眼を置いた本。図版やコラム、年譜、作品解説、略歴一覧などの資料ページも充実。人物とエピソードから江戸文化を味わえる! |
『ねこと国芳』 | 歌川国芳の描いた猫をテーマにまとめた浮世絵作品集。団扇絵の猫役者、妖怪猫、お当字を猫で表現したものなど多彩!作品ごとに解説文があり、拡大図も豊富で、見やすく、理解しやすい。 |
今回の記事が「浮世絵のことをもっと知りたいけどどんな本を選べばいいの」と迷っているあなたの参考になれば嬉しいです!
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